INTERVIEW
ママであっても、
そうでなくても。
挑戦し続けるプロであれ。
記事の概要
「仕事に穴はあけない」
ワンオペ育児に120%の日々。
外資系大手IT企業で、システムエンジニアとして18年勤務。プロジェクトマネージャーとして様々なプロジェクトをリードしてきました。社内には尊敬する上司や同僚がたくさんいて、刺激的な毎日だったと思います。外資ということもあり、性別や年齢で差別されることはなかった。成果を出す人が評価されるという、シンプルで納得感のある環境でした。そんな中で、毎日全力で働きながら、結婚。2人の息子に恵まれ充実した日々を過ごしていました。
ところが、長男が小学校に上がり、次男が2歳の頃。突然夫の海外赴任が決まったんです。夫からは一緒に移住を希望されましたが、私は当時大きなプロジェクトを抱えていたこともあり、子どもたちと日本に残ることを選択。
上司に相談すれば調整はしてもらえますし、短時間勤務などの選択の自由はありました。
でも、私自身が「子どもがいることを理由に仕事に穴をあけてはいけない、今までと同じように結果を出さなければならない」と思い込んでいました。そのように妥協せず、プロとして働く方々を身近で見てきたのもあると思います。
業務量はそのままにワンオペ育児という、想像以上に過酷な毎日が始まりました。夕飯だけは子どもと食べると決めていたので、18時には無理やり退勤。一通りのことが終わったら、22時からリモート会議。会議の時間になっても子どもたちが寝ないこともあり、そんな時はビデオを見せて静かにしてもらいます。子どもたちも私のことを気遣って、静かにソファでビデオを見ながら、仕事が終わるのを待ってくれていた。会議が終わって、リビングでママを待ちながら寝ている姿を見ると、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そして、どんなに自分が調整して頑張っても、子どもは突然熱を出すし、朝はぐずるし、夜は寝ない。予定通りにまったくいかない。
子どもたちが寝た後に、夜中にふと緊張の糸が切れたように一人で大泣きするなんてこともありました。全力過ぎてよっぽど気を張っていたのだと思います。それでも翌朝にはまた気持ちを切り替えて、いつも通り出社する。
一方で、仕事は評価されて、昇進します。本来は喜ばしいことだと思うのですが、どんどん責任が重くなって、自分で自分の首を絞めている感じでした。正直、昇進なんてまったく望んでいなかった。
女性が昇進を拒む要因として、仕事以外に家庭のこと、子どものこと…抱えていることがあまりに多すぎることがあると思います。特に日本は「母親としてこうあるべき」という固定概念が、世代差はあれど、まだまだとても強い。「家事はできるだけ手抜きをします」と言うと、「お母さんなのに?」と笑う方がいます。でも、ワンオペのお母さんの24時間365日をずっと見ている人がいたら、そんな風に笑えないと思うんですよね。
頑張ってきた自分に後悔はない。
でも一度、人生を見直したい。
そんな中、長期に渡るプロジェクトが無事に終了。次の仕事を考えた時に、「今まで頑張ってきた自分に後悔はない。でも、ここで一回自分の人生を見直したい」と純粋に思い、会社を辞める決断をしました。転職も考えましたが、仕事復帰することを前提に、思い切って2年間と決めて「人生の夏休み」を取ることにしました。
まずやったことは、当時小学生になっていた息子たちを連れて、N.Y.の前職のオフィスを訪ねること。辞めたけど、今まで頑張ってきたママをしっかり肌で感じて記憶に残して欲しかった。息子の少年野球の手伝いや、学校行事にも積極的に参加、子どもたちを通して親同士のつながりも生まれて、地域に住むという感覚を初めて味わいました。
今までと違う、もう一つの人生を過ごさせてもらっているような感覚。
でも、一方でずっとプロジェクトマネージャーとして仕事をしてきた自身への誇りもあった。2年間のお休みという期限を変えるつもりはまったくありませんでした。
そんな時、ご縁があって社長の岩崎と知り合い、意気投合!会社の理念や、母として働くことへの考え方に共感して入社を決めました。
どうしてもやりたい。
みんなの本気が会社を変えていく。
私が入社してすぐ取り組んだのは、国内通販のシステムの刷新。システムそのものの課題はもちろん、使用するユーザー部門にとっての課題など、3年後5年後の未来を見据えながら考えていきました。このプロジェクトは、入社してすぐ、経営から託されたもので、お題は「システム刷新」のみ。あとは何も決まっていない、まったくの白紙のプロジェクトでした。会社からの具体的な指示はなく、自分たちからどんどん提案をして、経営陣が納得してくれると、一気に動き出すのがランクアップ流。このプロジェクト以外も全てがそうなのですが、自分たちの想いで仕事を作って進めていくのは、大変だけれどすごく面白いです!
結果、今まで販促活動はシステムベンダーさんたちに依頼をしないとできないところが多かったのですが、自分たちでシステムに設定をして、販促活動の追加・停止が自由にできるようになり、すごくスピーディーになりました。成功の要因は、メンバーに恵まれたことに尽きます。各部門から「このプロジェクトに本気になれる人」だけに参加してもらっていて。自分たちの会社を良くするためにやっているという、みんなの想いがひとつだった。会社を良くしていくために、自分たちの「やりたい!」という想いをのせてプロジェクトを進めているので、集中力もすごかったです。絶対に成功させると、メンバーみんなが思って取り組んでいる。それは他のプロジェクトでも言えることかもしれませんが、私たちの強みですね。
「お母さん、笑顔が増えたよね」
こんなに嬉しい言葉、他にない。
前職で味わった、本気で仕事をすることと子育ての両立の大変さ。
それでも、ひとりの女性として仕事を続けていくことも諦めてほしくないと感じています。ランクアップは、子育てしながらも活躍し続けたい人を、全力で応援してくれる会社。自分の仕事に誇りを持ち、経験や能力を発揮しつつも、ちゃんと家庭と向き合える。だからこの会社で私も、子育てする社員が長く仕事が続けられるようサポートしたいと思っています。
前の会社も、産休・育休・時短勤務など、仕事と家庭の両立に対して、制度も理解もあったはずなのですが、どこか仕事と子どもが別の世界にいる感覚だったんです。
でも、ランクアップに入社して、「無理やり子どもと仕事を切り離す必要はないんだ」って気づいた。ここでは、子どもたちが、会社の一員として受け入れられている。だからでしょうか、パパもママも生き生きと仕事をしていることに感動しました。
たとえば、子どもがインフルエンザのときも自然と「インフルの季節だからね~」と受け入れてくれる。子どもが膝の上に乗ってオンライン会議に出ているのも、普通の光景。夏休みは子連れで出社する人を、当たり前のように笑顔で迎えてくれる。既に大きくなった私の息子たちも、学校帰りにたまに会社に立ち寄ることがあり、同僚もニコニコしながら「また背が伸びたねー」と声をかけてくれます。「あ、はい。」と、思春期の息子たちの返事はそっけないですけど(笑)。
前職での経験は私の財産であり、後悔は1ミリもありません。でも「ここで子育てしながら仕事をしていたら、あの時の小さな息子たちに我慢をさせずに済んだのかも」。ときどき、そう思うことがあります。会議が終わるのをリビングで待っていた息子たちを思い出し、胸がきゅーっとなる。でも、子どもたちに小さかったときのことを聞くと、あまり気にしていないようで、「それよりも、今の方が楽しそうだよね」と、私の笑顔が増えたことを喜んでくれるんですけどね。彼らから見たときに、お母さんが仕事してるのを「何かいいな、楽しそうだな、かっこいいな」と、自然と感じてもらえているなら何より嬉しいです。
ママかどうかではなく、
プロかどうか。
「仕事と家庭を両立できる風土」という話だけ聞くと、ランクアップも私も「働くママに、とことん優しい」と勘違いされるかもしれません。
でも、私が仕事で一番大切にしているのは、働きやすさや優しさではなく、あくまで「プロフェッショナルである」という姿勢。これは前職も今も、全く変わっていません。そして、ランクアップのメンバーにも求めているのは“プロとして働くこと”。そのために、「一作業者になるな、勉強し続け、会社に提案し、会社を引っ張る人材こそがプロだ」と繰り返し伝え、自分自身にも言い聞かせています。
それは、ママであっても同じこと。私が部長を務めるシステム部にも、1歳の子どもを持つママ社員がいます。彼女の素晴らしいところは、子どもの成長も大事にしているけれど、自分自身の成長も同じように大事にしているところ。ママだから仕事を軽くしてほしいなんて、望んでいない。だからこそ彼女には、全社的にも難題な解のないプロジェクトを任せられる。実際、子育てをしながら限られた時間の中で、リーダーとして責任をもって難しいプロジェクトをやり遂げているんです。
ママであっても、ママでなくても。プロとしてお客さまのために、会社のミッションのために、常に最上志向で頑張る仲間がたくさんいる。ここには社名の通り、ランクアップの精神を持つ人が集まっているのだと思います。
私はもうすぐ50歳になりますが、まだまだ新しいチャレンジを続けられている。楽しみな反面、会社をリードするという心地よい緊張感も、常にある。そんなランクアップの環境で働くことができて、母として、プロとして。今、心から充実感を感じています。